里地・低山の植物

4月




植栽のソメイヨシノ(サクラ属)と日本在来のカンサイタンポポの群落   

2024年4月7日 和歌山市秋葉山頂上




日本在来のカンサイタンポポの群落      2024年 4月7日 秋葉山頂上

外来のセイヨウタンポポやアカミタンポポはあまり侵入していません。 




ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ) マメ科     章魚頭姿山


別名カラスノエンドウは大きいノエンドウという意味で名付けられました。一つのさやに5〜10個の種子が実ります。



スズメノエンドウ  マメ科    章魚頭姿山


小さい白い花が咲きます。ちょう型の花ですが旗弁(花の上部の反り返る花弁)が小さくて目立たない。

小さいノエンドウという意味で名付けられました。



スズメノエンドウ        一つのさやに普通二つ種子が実ります。



カスマグサ  マメ科  章魚頭姿山

カラスとスズメの間の大きさの草という意味で名付けられました。

花は小さいですが、青い筋模様があり旗弁が大きく反り返ります。一つのさやに種子が3〜6個実ります。



カスマグサ            一つのさやに種子が3〜6個実ります。



カタバミ  カタバミ科  章魚頭姿山


葉や茎は、シュウ酸水素ナトリウムなどの水溶性シュウ酸塩を含んでいるため、咬むと酸っぱい。また、葉にはクエン酸、酒石酸も含まれる。  ヤマトシジミの幼虫が食草とします。



キケマン  ケシ科  和歌山市 トンガの鼻



キランソウ  シソ科   和歌山市 トンガの鼻


根生葉が地面に張り付くように放射状に広がるようすが、地獄の釜のふたのように見えるので、別名ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)という呼び名もある。 さまざまな病気に対して薬草としての効能から医者がいらず、「これで地獄に落ちないで済む」という意味や、「病気を治して地獄の釜にふたをする」という意味が由来だともいわれている。また、医者が必要ないというところから、イシャゴロシ(医者殺し)の異名もある。




クヌギの雄花    ブナ科  和歌山市 トンガの鼻




タチツボスミレ  スミレ科  章魚頭姿山   



サギゴケ(ムラサキサギゴケ) サギゴケ科  和歌山市 トンガの鼻 


葉は根ぎわに集まり、その間から匍匐茎を伸ばして新苗をつくって繁殖する。



トキワハゼ サギゴケ科  和歌山市 トンガの鼻


サギゴケよりも花が小さく、根元から匍匐茎を出しません。



ナワシロイチゴ バラ科  和歌山市 トンガの鼻


果実は直径約1.5cmの球形で、6月頃に赤く熟し、食べられる。



アキグミ  グミ科   和歌山市 トンガの鼻



アキグミの花

落葉性のグミは春に花を咲かせます。花柄が短いので、アキグミと判断できます。



ニガナ  キク科  和歌山市 トンガの鼻




ニワゼキショウ  アヤメ科  和歌山市 トンガの鼻



トキワツユクサ(ノハカタカラクサ) ツユクサ科  外来種 和歌山市 トンガの鼻



ハハコグサ  キク科  和歌山市 トンガの鼻



ヒメウズ  キンポウゲ科  和歌山市 トンガの鼻  



ホトケノザ  シソ科  和歌山市 トンガの鼻




ムベ アケビ科  和歌山市 トンガの鼻


葉がアケビとよく似ているが、こちらは常緑。果実もアケビ同様だが裂開しない。


ヤエムグラ アカネ科  和歌山市 トンガの鼻



ヤブタビラコ  キク科   和歌山市 トンガの鼻



ヤブニンジン  セリ科  和歌山市 トンガの鼻




ヤワゲフウロ  フウロソウ科  外来種  和歌山市 トンガの鼻



ウシハコベ   ナデシコ科     


ミドリハコベと比較して、草体が大きい。


ウシハコベ    雌しべ(花柱)が5つに分かれている。




コハコベ  ナデシコ科


コハコベやミドリハコベの雌しべ(花柱)は3つに分かれている。



ウバメガシ   ブナ科      章魚頭姿山



ウバメガシの雄花



雄花の上の枝の先端に、ごく小さい雌花がいくつか咲いています。



ウバメガシの雌花(葉の付根のごく小さい赤みががっているところ)



ウバメガシの果実(どんぐり)  受粉して2年目の翌年の秋に熟します。



ウマノアシガタ  キンポウゲ科    和歌山市 トンガの鼻


和名は根生葉を馬の蹄に見立てたものと言われています。

キンポウゲ科に多い有毒植物のひとつであり、これを食べた牛が中毒を起こしたことがある。毒成分も中毒症状も、キツネノボタンやタガラシと同じである。





オオジシバリ   キク科   和歌山市 トンガの鼻


「地面を縛る」との意味でジシバリと名付けられた草があり、ジシバリと似ていてジシバリより大きいのでオオジシバリと言われるようになりました。



オオシマザクラ  バラ科   章魚頭姿山   


花が真っ白で、葉が鮮やかな緑色、そのコントラストがきわめて美しい桜です。

和歌山県の沿岸部に多く自生しています。名前のオオシマというのは伊豆大島に多く自生しているという意味ですが、和歌山県の大島にも多く自生しています。和歌山県では、3月中旬〜下旬開花が始まります。





オオシマザクラ


がくに鋸歯(ぎざぎざ)がある、葉の表裏に光沢がある、葉が比較的大きく鮮やかな緑色、

花序柄が長く、花序やがくが無毛 等の特徴があります。



ヤマザクラ バラ科    和歌山市トンガの鼻


和歌山県の山では、サクラ類で、最も多く自生しています。3月中旬〜下旬、出葉と共に開花が始まります。




ヤマザクラ


がくに鋸歯(ギザギザ)がない、葉の裏が白味を帯びる、葉の鋸歯が細かい、出たての葉は赤みを帯びる、等が特徴です。




マルバウツギ アジサイ科     章魚頭姿山

ウツギというのは、枝の中に空洞があり中空になっている、という意味であるが、ノリウツギやガクウツギは枝を切っても空洞がない。中空でないのに“空木”と名付けられる場合、花の様子や樹形がアジサイ科ウツギ属の「ウツギ」に似ていることが名前の由来になっていることが多い。

山中に生育するウツギに比べて、葉が丸いので名前にマルバと付けられている。


マルバアオダモ モクセイ科     章魚頭姿山

葉は、長い葉柄をもって枝に対生し、3-5(-7)葉からなる奇数羽状複葉で、和名のマルバは、葉の形や葉先が丸いことを表すわけではなく、縁に明瞭な鋸歯がなく滑らかであるためといわれている。


マルバヤナギ (アカメヤナギ)  ヤナギ科  和泉山脈

新葉が赤いので別名アカメヤナギとも言われます。雌雄異株でこの木は雌株。雌花が咲いた後、果実ができ始めています。6月に果実が熟します。




ハンノキ  カバノキ科   和泉山脈

谷の水湿のある低地に、普通に生えます。2〜3月に枝の先端に尾状の雄花序が2〜5個つき、枝先にまだ残っています。昨年できた果実も残っています。


ノダフジ マメ科     加太

つるの巻き上がる方向は左巻き(ねじの左巻きと同じ)です。山で見かけるフジはほとんどがこのフジで、開花の期間は短いですが山を彩ります。


コナラ  ブナ科

垂れ下がっているのが雄花


コナラの雌花は枝の先端にできます。

ドングリ(堅果)は年内に熟します。ちなみにクヌギのドングリは2年目に熟しす。




キリ   キリ科    加太

キリの木材からは、軽くて狂いや割れも少ないという特性を活かして、高級家具の桐箪笥や、琴、琵琶が作られる。



タチツボスミレ スミレ科  加太、深山

成長すると茎は地表に伸びて立ち上がる。葉は始めは根出するが、茎が伸びると葉もそこにつくようになり、丸っこいハート形になるのが特徴。


ナガバタチツボスミレ  スミレ科   加太、深山

成長すると茎は地表に伸びて立ち上がる。根出葉は丸い形だが、茎が伸びると葉もそこにつくようになり、茎につく葉は、長い三角形〜披針形になるのが特徴。


ハマダイコン  アブラナ科  

海岸とその周辺で生育します。

2022年 4月   章魚頭姿山


ヒメハギ   ヒメハギ科    章魚頭姿山

花がマメ科のハギの花に似ているのでヒメハギという和名です。上位の分類ではマメ目に含まれて、広い意味でマメの仲間です。



アケビの花     アケビ科    落葉植物  

葉は5出(枚) 手のひら状複葉

右の大きいのが雌花で、花の中央にバナナの果実のようなめしべが8本(範囲3〜9本)あります。

いくつかある小さい花が雄花で花の中央にはミカンの房のような雄しべが6本あります。


ムベ  アケビ科     常緑植物    

葉は5出(枚) 手のひら状複葉

秋にアケビと同様の小ぶりの果実ができるが、縫合線に沿って裂けることはない。

雄花と雌花がある。

ミツバアケビ アケビ科  落葉植物     

葉は3出(枚) 手のひら状複葉

秋にアケビと同様の果実が実り、食用となる。

コバノタツナミ  シソ科    雑賀崎、トンガの鼻

海岸に近い所の野山に生育していることが多い。

タツナミソウ シソ科   和歌山市伊太祈曽

コバノタツナミと比べて、葉の縁のぎざぎざ(鋸歯)の数が多いこと、花の下唇の内側に紫色の斑点があること等 で区別できます。

章魚頭姿山  2021年4月

ノゲシ キク科

ノゲシ キク科

 上部の葉の茎を抱いている部分は、尖っている。 オニノゲシの同部分は、円形になることが多い。

オニノゲシ キク科     外来種

 ヨーロッパ原産で、明治年間に渡来して日本各地で帰化している。日本在来のノゲシに似ているが

全体に大型で葉は厚く、縁の鋸歯の先もより太くトゲとなる。葉の基部は円形の耳たぶ状で茎を抱く。


アオオニタビラコ   キク科オニタビラコ属の亜種

一つの株から茎がたくさん出る。茎の色はあまり関係ない。紫がかった茎のアオオニタビラコもある。

アカオニタビラコ  キク科オニタビラコ属の亜種

アオオニタビラコとの違いは、本種の茎は1本立ちになることが多く、茎に毛が多く、越冬した根出葉が赤味を帯びる、花がやや小さいなどとされているが、区別することが難しい。

茎が1本立ちで茎に毛が多いものは、アカオニタビラコと判定できる。