街中の動物

7月



2020年7月



トノサマバッタ(バッタ科)

 バッタの王様ともいわれる最もよく知られるバッタで、草原に普通に生息していたが、現在の街中では草原
そのものがなくなりつつあり、さらに殺虫剤散布が普及し、バッタの生息できる場所が減少している。
バッタ保全のためにもある一定の場所を自然の草原として保全する意識が必要である。上記のように体色が
緑色の個体と褐色の個体が存在するが、バッタ類カマキリ類には普遍的なことで、この説明として「周りに
あまり仲間がいない個体密度が低い場合は、緑色で一人(一匹)で行動し性格も大人しい。逆に個体密度が
高く、周りに仲間が溢れかえっている場合は、茶色となり、集団で行動して、性格も攻撃的になる」とされて
います。イネ科やカヤツリグサ科などの単子葉植物の葉を食べます。




ショウリョウバッタ(バッタ科)

 子供のころ、このバッタを捕まえて、手でつかむと口からこげ茶色の液を出すので「しょうゆバッタ」
と呼んでいました。名前の由来は「しょうゆ」なのでしょうか?一説にはこのバッタの体形が精霊流し
の「精霊船」に似ることから、この名がついたと言われます。体色はやはり緑色と茶色があります。
主にイネ科植物の葉を食べます。 オス成虫が「キチキチキチッ」と鳴きながら飛行します。これは
飛行する際に前後の翅を打ち合わせて発音しています。


クルマバッタモドキ(バッタ科)

 羽を広げると、後羽に車輪状の丸い模様があるクルマバッタによく似て、やはり後羽に車輪状の丸い
模様がある。クルマバッタは背中にX の模様があるので、区別できます。イネ科やカヤツリグサ科の植物
を食べます。


オンブバッタ(オンブバッタ科)

 交尾の際に、メスの背中にオスが乗る姿がよく観察されます。他のバッタ類が速やかに離れるのに
対し、オンブバッタは交尾時以外でもオスがメスの背中に乗り続けるため、「おんぶ」状態がよく観察
されるのでオンブバッタと名付けられました。オンブバッタはクズ、カナムグラ、カラムシなど葉の広い
植物をよく食べます。


アカハネオンブバッタ(オンブバッタ科) 外来種

 後ろ羽が赤いオンブバッタです。日本 では南西諸島に分布し、国外では中国、韓国、台湾、ハワイ
(移入)から知られています。もともと和歌山県にはいなかったのですが、近畿地方では2012年頃から
発見されるようになり、2015年和歌山市で確認されるようになり、2020年現在では和歌山市では多く見
られるようになっています。


オンブバッタ

ショウリョウバッタ

 オンブバッタとショウリョウバッタの識別点
@ショウリョウバッタの頭部は、胸部とはっきりと区分していること Aオンブバッタの目の後ろの筋は
鋸歯(ギザギザ)があるがショウリョウバッタの目の後ろの筋には鋸歯がないこと です。


コガネムシ(コガネムシ科)

 成虫は広葉樹の葉を食べます。幼虫は土の中にいて、植物の根を食べます。カナブン
との違いは、@体が卵型で、尻部に膨らみがあること A頭部が角ばらず丸いこと です。



カナブン(コガネムシ科)

 頭部が角ばっています。腐熟した果実やクヌギ、コナラ、アキニレ、シラカシ、ヤナギ、アカメガシワ
などの広葉樹の樹液を餌とするハナムグリの仲間です。これらの木の樹上を主たる生活の場とし、
木にしがみつくために足先に鋭いかぎづめを持つために、手で捕まえると、引っかかれて痛い。樹液の
にじみ出るところには本種や近縁のハナムグリ類が多数集まるのが良く見られる。 幼虫は土の中にいて、朽ち木などの腐植物を食べます。


ハナムグリ(コガネムシ科)

 コガネムシ類が植物の葉を食べるものが多いのに対して、ハナムグリ類は、植物の花に
飛来して花粉や蜜を摂食するものや、樹液、発酵した果実などに集まってこれを吸汁するもの
が多い。 ハナムグリの成虫は花に潜り、花粉や蜜を摂食する。幼虫は腐葉土、堆肥、朽木
といった腐植質を摂食する。


シロテンハナムグリ(コガネムシ科)

 花より樹液や果実に集まる。幼虫は朽ち木や腐植土を摂食するが、森林環境でなくても、
枯れた雑草の堆積物がある程度あれば幼虫が育ちます。成虫は再越冬能力を持ち寿命が長く、
複数年にわたり繁殖する個体もある。