街中の動物
4月

2020年 4月10日


モンシロチョウ (シロチョウ科)
 
 前翅の中央にある二つの灰黒色の斑点を紋と見立て、さらに羽が白いのでモンシロチョウ
という名がつけられました。春に発生する個体は夏のものに比べて小さく、白っぽく、黒い部分
があまり発達していません。

モンシロチョウの卵

 幼虫がキャベツ、ブロッコリー、アブラナなどのアブラナ科の植物の葉を食べるのでこれらの
草本の葉に卵を産み付けます。1mm程度の大きさで、一つずつ離して産み付けます。
孵化すると幼虫は卵の殻を食べてしまいます。

モンシロチョウの幼虫と蛹

 幼虫は、ある程度大きくなると皮を脱ぎ(脱皮)一回り大きくなります。脱皮するごとに齢が大きくなり、
五齢幼虫の次に蛹(さなぎ)になります。孵化して約2週間で蛹になります。幼虫のときに
アオムシコマユバチに卵を産み付けられ、寄生されるとハチの幼虫に体の中身を食われて死んで
しまいます。虫の幼虫は専門のハチに寄生されることが多いです。まん中の幼虫はヨトウガの幼虫です。
蛹の中では体を一度分解して、成虫になれるように羽や足など体を作り変えます。


アゲハ(アゲハチョウ科)

 成虫が見られるのは、4月〜10月でその間に2〜5回世代を繰り返し発生する。
日当たりの良い場所を速く羽ばたいてひらひらと飛び、さまざまな花から吸蜜したり、
水たまりや湿地、海岸に飛来して吸水したりという姿が見かけられる。冬は蛹で越冬する。


一齢幼虫

 ミカン科の樹木の葉に産み付けられた卵は、やがて孵化します。一齢幼虫は、体表に
多くのとげがあり、毛虫のような形をしています。

皮を三回脱いだ四齢幼虫

 毛がなくなり、イモムシ形になる。鳥などの天敵に見つからないように、鳥のふんのような色
(保護色・擬態)になっています。

緑色になった五齢幼虫

 今度は葉の色に合わせて緑の体色に変化(擬態)します。大きい目があり頭も大きいように
思いますが、よく見ると本当の目や頭ではありません。本当の頭は小さくて体の先の下面に
あります。蛇のように目や頭を大きく見せかけて(擬態)、鳥などの天敵の目をごまかそうと
しているのです。

アゲハチョウの蛹(さなぎ)

 五齢幼虫になり一週間ほど経過すると、蛹になる場所見つけるためかなり遠くまで移動します。
適当な場所が見つかると、一日かけて蛹になります。10日ほどで成虫に羽化します。